「里山物語」寄付金運用事例 第6号

2016年1月7日(木)

当社の「里山物語」を多くの企業・団体の皆さまに採用いただき、そのお預かりした寄付金の運用先を、協業するNPO法人里山保全再生ネットワークが選定した結果、第6回寄付金(平成26年度分)の支援先が決まりましたので、ご紹介いたします。

1.寄付金支援先 
「感環自然村」(長野県飯田市下瀬286-2)
代表者 坂井公淳 氏
http://www.kankanshizenmura.com/kankankids_top.htm

2.団体概要
 「感環自然村」は国籍、言語、障がいの有無に左右されることなく、お互いの多様性を認め合い、個性の違いを楽しみ、誰でも集える場所を創ることを目的に設立された、多文化共生子どもサポート団体です。
自然豊かな南信州天竜峡や周辺の里山をフィールドとして、子どもの健全な育成に大きな効果がある自然の中での“原体験”を提供しています。

3.選定理由
「里山物語」による寄付金を運用するNPO法人里山保全再生ネットワーク(代表理事 岩間敏彦氏)は、「子どもたちがさまざまなことを学ぶ場として里山を活用することも里山の社会的な価値を高める」と考え、森のようちえんなどを支援してきました。里山での体験が子どもたちのたくましさや考える力を育むのはもちろん、「里山で育った子どもたちは、きっと里山が好きになり、未来の守り手にもなる」と考えているためです。こうした背景から、第6回の支援に当たっては、子どもたちのために里山を活用している団体の情報を収集していた中、「感環自然村」を知りました。最近は子どもたちの体験のために里山を活用している団体が増えてきましたが、同団体には大きな特徴があり、それは里山での子どもたちの自然体験に加え、“多文化共生”という独自の取り組みにチャレンジしていることでした。

今回、里山保全再生ネットワークは、以下の理由から支援を決定しました。
・自然豊かな里山を使って、子どもの健全な育成に欠かせないさまざまな原体験を提供している。
・外国人のスタッフが多く、日本文化に加えて外国文化や、自然と共存することを学ぶトレッキング、海外生まれのネイチャークラフト体験など、外国流アウトドア文化と触れ合うことができる。そのような多様な経験を通じて、子どもたちの「自然や他者とつながろうとする心や国境のない心」を育んでいる。このような事例は国内では希であり、注目に値する。
・さまざまな子どもが集う場として、すでに5年以上(活動開始は2010年5月)の活動実績がある。
・これまでの事例と同じように里山での活動を通じて、その大切さを学ぶ場となっており、 里山を活用する後継者の育成や、持続的な活用などが期待できる。

4.支援内容
「感環自然村」からの要望により、新たな活動拠点として建設を進めている小屋の資材費(一部)と、周囲に広がる里山を整備するための道具の購入費を支援することとし、贈呈式を行いました。今後、飯田市郊外の里山地帯を見おろす丘に建つ小屋を拠点に、里山の手入れや、宿泊も含めた子どもたちの体験活動を行っていく予定です。

里山の保全は、従来型の整備では維持継続が難しいことが知られています。「里山物語」のお預かりした寄付金は、第1回から一貫して、里山の新たな価値の発掘、新たな用途での活用を推進する団体を支援しています。里山を使うことで保全され、同時に、社会的意義の高い活動を支援する先進的な事例を選出しています。
今後も採用いただいた皆さまとともに、いずれ日本中に「里山物語」の支援先が増えるよう、挑戦し続けてまいります。

リリース

こちらのサイトでも「里山物語」について紹介しています。
里山物語 公式サイト http://www.satoyama-paper.net/