「里山物語」による支援 第3回贈呈式を行いました

2012年11月16日(金)

典型的な里山の古民家を、
原発事故による避難・移住者支援に活用している団体を支援しました。

第3回の支援先は、原発事故により長野県へ避難されている方、これから避難・保養を考えている方の当事者ネットワーク「手をつなぐ3.11信州」(長野県松本市)です。同団体は里山地帯に建つ築100年以上の古民家「小赤の家」を活動拠点としています。古民家という里山の暮らしを物語る貴重な遺産を有効活用していることや、松本市の里山などでつくられた安全な野菜を望む人たちに送料無料で送る「食糧支援プロジェクト@松本」とも連携していることに着目した里山保全再生ネットワークでは、同団体の活動にコミットすることで、より活動が広がり、里山の価値も高まると考えて支援を決定しました。

なお、里山保全再生ネットワークでは、「里山物語」による支援基準を以下のように定めています。

①里山もしくは里山の生活を物語る場が活動地に含まれていること
②活動の持続可能性が高いこと
③里山の新たな価値(地域振興、社会福祉、環境教育、就労の場づくりなど)を創造できる活動であること
④里山保全再生が主目的ではない団体でも、結果的に里山そのものや、里山の民俗・風習の保全につながっていく活動であること
⑤里山保全再生ネットワークがコミットしていくことで、活動の広がりが期待できること

今回の支援は、すべてに該当する事例となりました。

支援に先駆けて里山保全再生ネットワークがヒアリングを行ったところ、古民家の傷みがひどく、冬を前にして補修が必要だとお聞きしたため、古民家の補修資材費を支援することになり、10月26日に贈呈式を行いました。

また、「小赤の家」に暖房施設がないことをお聞きし、バイオマス利用にも通じる「薪ストーブ」贈呈を目的としたチャリティコンサートを、10月21日に開催しました。当社もこのコンサートを後援し、チラシの印刷用紙や、販売用竹紙ノートを提供しました。

里山保全再生ネットワークでは、今回の支援をきっかけとして、「手をつなぐ3.11信州」や、「食糧支援プロジェクト@松本」などと協力しあいながら、里山を活用した保養プログラムの開催や、里山への移住を望む人と、過疎に悩む自治体とのマッチングなどに取り組んでいく予定です。

「里山物語」とは。

これまでの再生紙や森林認証紙とは全く異なる、先進的なコンセプトの環境配慮型用紙です。「里山物語」を使うだけで、社会貢献活動を公言できます。

(1)日本の森を守る活動  間伐材を活用することで、森林保全を図ります。クレジット方式のため、実配合よりも間伐材使用量は格段に増えながらも、紙の選択に制約がありません。
(2)里山と生物多様性を守る活動  紙代金の一部に付加した寄付金を、協業するNPO法人里山保全再生ネットワークを通じて里山保全を図ります。
(3)社会活動をする団体を応援する活動  里山で地域振興、社会福祉、環境教育、就労の場作り等を創造する団体を支援することで、環境のみならず、人の心をつなぎます。

 

古民家「小赤の家」での贈呈式

松本市端松寺でのチャリティコンサート