「里山物語」寄付金運用事例 第10号

2020年11月18日(水)

当社の「里山物語」を多くの企業・団体の皆さまに採用いただき、そのお預かりした寄付金の運用先を、協業するNPO法人里山保全再生ネットワークが選定しましたので、紹介いたします。おかげさまで、ついに、第10回寄付金(平成30年度分)支援先の決定となりました。

1.寄付金活用先
宇津木の森(東京都八王子市宇津木町)

2.概要
中央自動車道の八王子インターチェンジにほど近い八王子市宇津木町は、住宅街に囲まれるように里山が点在する地域です。その一つが東京都の保全地域に指定されている「宇津木の森」です。面積は5ヘクタールほどとそれほど広くはない森ですが、クヌギやコナラなどが育つ雑木林や、栗林、梅林、竹林、針葉樹林、草地など、さまざまな環境が残されています。
この「宇津木の森」を守るため、2002年より住民やNPO法人FoE Japanの協働による里山再生活動が行われてきました。
その内容は四季折々で、春には、ササ刈り、タケノコ掘り、梅もぎ、お茶摘み。夏には伸びた雑草などの草刈り、ツル刈り。秋には森の恵みのクリ拾い、きのこ収穫のほか、木工ワークショップも楽しめ、冬には、伐採、落ち葉かき、薪割り、きのこのコマ打ち、ゆず収穫と、季節に合わせ里山や森の保全から里山利用をしています。

3.選定理由
「宇津木の森」の活動を通じて目指しているのは、四季折々のさまざまな恵みを資源として積極的に利用し、暮らしに生かしていくことと、地域の人たちが交流したり、自然と触れ合ったりする場にしていくことです。この考えに賛同した「森のようちえんなど」にも活用されています。
これまで、里山保全再生ネットワークでは、「里山物語」の寄付金による支援先として、里山に新たな付加価値をつける活動を行っている団体を支援してきました。障がい者の作業所、福祉団体、森のようちえんなど、里山保全が主目的ではない団体が多い傾向でした。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、「密ではない空間で、体を動かせて、結果的に環境保全にもつながる」里山が改めて再認識されるようになってきたと感じ、宇津木の森の支援を決定しました。

4.支援内容
今回の支援候補として「何かサポートできることはありますか」とヒアリングを行ったところ、「里山再生に必要な道具が足りていない」との声が寄せられたため、相談の結果、刈払い機や活動用のヘルメットなどを贈呈することとしました。
贈呈式は2020年11月8日の活動日に開催されました。この日は活動を続けてきたメンバーに加えて、森のようちえんの団体や、人の紹介で初めて参加したという方など、大勢が集まりました。伐採木の搬出や薪づくり、ゆず収穫などの合間に式を開催していただきました。支援した草刈り機は最新式で、とてもパワフルな機種です。メンバーは「作業がはかどる」と、とても喜んでくださいました。
里山保全再生ネットワークでは今後も「宇津木の森」に着目し、活動に参加していきます。

なお、今回の支援活動に至るまで、「里山物語」を使用してくださった企業・団体名(50音順)は下記の通りです。
旭情報サービス株式会社、アルソ出版株式会社、飯野海運株式会社、因幡電機産業株式会社環境システム部、株式会社オルタナ、NPO法人共存の森ネットワーク、国際自然保護連合日本委員会、ソニー銀行株式会社、株式会社大地を守る会、テイエス企画株式会社、東邦化学工業株式会社、にじゅうまるプロジェクト、日本応用動物昆虫学会、日本コムシス株式会社、公益財団法人日本自然保護協会、ハリウッド株式会社、株式会社プレシーズ、株式会社北陸銀行、北陸電力株式会社、ロイヤルホールディングス株式会社