研究開発プロジェクト

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高岸伸 取締役開発本部長
田中裕之 開発本部開発部上級技師
中越パルプのセルロースナノファイバー

中越パルプ工業が長年蓄積してきた紙・パルプのノウハウを用い、
一貫生産したセルロースナノファイバーが、
新機軸として多彩な業界から注目を集めています。
高岸伸取締役開発本部長、田中裕之開発本部開発部上級技師が
見た魅力や今後の展望はー

開発部はこれまで、国産竹100%の紙の開発などを手がけてきました。東日本大震災後、火力発電の需要の高まりに伴い、石炭灰の処理が課題となっています。
石炭灰はコンクリートの原料となりますが、その配合率を高めるため、パルプを混ぜる品質改善も行っています。環境保全など、当社の技術力による地球にやさしい開発に取り組んでいます。
また天然菌を用いたバイオエタノールの研究も手がけています。

独自開発、そしてサンプル販売へ

セルロースナノファイバーは、植物を形成する骨格となる成分であり、当社のパルプに高圧処理を施し、細かくほぐすことで得ることができます。吸着力、流動性に優れ、補強用繊維として研究開発などが進んでいます。透明性を活かして「透明な紙」やフィルムへの応用も可能です。伸び縮みしない点も大きなメリットになります。工業材料として普及させるためには、品質管理が重要です。ファインケミカル分野でも使える品質の確立に加えコストダウンにも挑戦しています。

2010年から開発に着手し、2013年3月、セルロースナノファイバーのサンプル販売を開始するに至りました。なぜ、サンプルなのかといえば、当社がセルロースナノファイバーを使った商品を販売するというスタンスではないからです。使用用途が限定されておらず、あらゆる可能性を秘めた新素材ゆえに、様々な分野の研究者にサンプルを提供することで用途について意見交換し、より使いやすいかたちにカスタマイズしようと試みています。具体的な用途イメージを持つ企業などとは秘密保持契約を締結し、応用研究を進めています。

今後の展望

これまでの素材に比べて性能アップが見込めること、そしてパルプによるナノ素材がエコであることなどが、関心を集める源となっています。海外では骨や筋肉などの再生医療に用いる検討も行われています。基礎研究では日本が優位にありますが、セルロースナノファイバーを用いた用途特許については、アメリカと中国が世界をリードしています。
できるだけ早く、日本の企業にもセルロースナノファイバーの活用法を見出していただくため、当社も尽力します。

私たちは、セルロースナノファイバーの用途が現在の想定以上に広がると見込んでおり、積極的にその魅力をPRできる人に、開発に携わっていただきたいと考えています。
新素材ゆえに、クライアントとは緊密な連絡が必要となりますが、そのような人材が社内に豊富であるとはいいがたいのが現状です。技術力とコミュニケーション能力を兼ね備えた、新たなマンパワーに期待しています。

学生の皆さんへのメッセージ

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高岸伸 取締役開発本部長
田中裕之 開発本部開発部上級技師

高岸伸 取締役開発本部長

田中裕之 開発本部開発部上級技師

「あきらめない」「やり遂げる」といったエネルギーにあふれた方を開発部門では求めています。いろいろなことに興味を持っている方からはエネルギーを感じます。どこでも、誰とでも積極的に話せるような意識を、学生時代に高めてください。

開発は、ノウハウや見識が豊富なベテランでなければこなせない業務ではありません。「新しい事業を生み出そう」と努力する部署なので、挑戦するスピリッツを持つ方が向いています。自分の目標達成へ、強い意思を持ちましょう。